裏紙

書いたり消したり

杞憂

杞の国の人が「空が落ちてくるのではないか」と心配した話から杞憂という、と国語で習った。

今の感覚では日本語の「杞憂」は発生確率が低いあるいはありえないので心配しなくてもいいこと、または後から遡って考えていらぬ心配であったとわかるようなことで、故事の「杞憂」は病的な不安に近いように思う。

 

しかし私は友人の上に空が落ちてくるかもしれないと心配してしまうのだ。私が見ていないうちに世界が崩れてしまった友人のように。

全て杞憂であればよいし、世界が崩れてしまった友人はどこか安全な空の下で生きていてほしいと願っている。